“ Jina ”(ジナ) とは?
カンガに記されているスワヒリ語で記されたメッセージを “ Jina ”(ジナ) と言います。
そこには、ことわざや人生の教訓、愛のメッセージなど、さまざまなメッセージが記されていています。アフリカには、たくさんのプリント布がありますが、メッセージが記されていることが、カンガの大きな特徴の一つです。
布にメッセージ? 私たちの感覚では、いまいちピンとこない “ Jina ” ですが、現地の人はデザインよりも “ Jina ” でカンガを選ぶという人のほうが多く、重要なものだと言われています。
日本では、単にスワヒリ語を直訳しただけで紹介されてしまうことがほとんどの “ Jina ” ですが、カンガの中には 隠された奥深い意味を持つ “ Jina ” も多いのです。カンガに込められた本当の意味を知れば、カンガの魅力はさらに増すことになるでしょう。
ここでは、当店で販売してきた象徴的なカンガをいくつか紹介してゆきたいと思います。
奥深いカンガのメッセージの世界にぜひ、お付き合いください♪
こちらは、政治家の発言がそのまま 『 ジナ 』 となったカンガ。
ケニアコースト地方の Mvita County で、2002年の選挙時、当時国会議員だった Nasir と市長だった Najib が国会議員の席をめぐって争い、Najib が当選。
「 Si Nasir, ni Najib ( これからは Nasir ではない、Najib だ ! ) 」
ということを言い換えて、「 Sina siri, nina jibu 」 と Najib が言ったことが、カンガに記されています。
最初に見た時、思わず笑ってしまったメッセージ。
ケニアのことを良く知る方には、この面白さがわかっていただけるのではないでしょうか?
そのままでも充分面白いのですが、何故こんなメッセージが記されたのか?
その背景には、当時の流行があります。実はこれ、当時流行していたケニアの人気曲の1フレーズなんです。
そんなこともジナになっちゃうの?案外ポップに何でも取り入れてしまうのがカンガの世界。背景を知れば納得、より面白さが増すという一枚です。
かなりレア、英語で記されたセイイングです。
そのまま訳せば、「 私の服装は私が決める。 」 それだけです。
しかしこのメッセージには、社会的な意味が込められています。
2014年11月ナイロビで 「 露出がひどくて風紀を乱す 」 として通りで女性が身包みをはがされるストリップ事件 が2件も続きました。
それを受けて女性の権利を求めるデモが行なわれました。
そのときのキャッチコピーがこの 「 My Dress My Choice 」 です。
大胆なミニスカートを始め、様々な服装の女性たちがこのデモに参加しました。
カンガのメッセージを通して社会に訴えかける一枚です。
いかがでしょうか、 カンガに込められるメッセージの数々。
それは政治や流行、時には新しい社会を作りたい!そんな変革を求める人々の強い思いが記されています。
スワヒリ語の直訳では分からない 『 ジナ 』 の世界。言葉が記されたその背景を知れば、東アフリカに住む人々の暮らしの一端が垣間見られることでしょう。
アフリカの布の歴史からみれば、カンガはまだ新しいテキスタイルです。しかし、カンガが伝える物語の数々は、カンガの始まりから約150年経った今でも普通の日常で受け継がれています。
当店では、カンガに込められた真の意味を伝えるため、カンガ発祥の地であるコースト地域に住み、現地の情勢をよく知る翻訳家にメッセージの翻訳を依頼しています。
「 現地の人がカンガを選ぶ気持ちと同じように 」 そんな気持ちでカンガを選んでもらえればと思っています。
あなたとカンガとの良き巡り会いがあることを願っております♪
