書籍【 アフリカンプリント~京都で生まれた布物語 】

今回は、書籍のご紹介。
今年5月に出版された「アフリカンプリント 京都で生まれた布物語」(青幻舎)を紹介します。
 
内容はざっくり説明すると、最近よく見かけるようになったアフリカンプリントは、1960~70年代に、日本でもつくられ現地へ輸出されていたというお話です。
 
出版前に当店にも連絡があり、本の最後で紹介しているアフリカンプリントを扱っているお店のリストに掲載させてほしいという話でした。
 
出版後、送っていただいた本を読んでみると、想像を超えた情報量と内容に驚きました。
とても流行りで作られたという内容ではなく、アフリカンプリントを知るうえで読んでおくべき貴重な一冊になっていると思います。特にアフリカンプリントについて日本語で書かれた書物は少ないため、ぜひ興味のある方はご覧になってみてください。オススメします。

 

アフリカ布ブック
 
アフリカンプリント 京都で生まれた布物語

監修:京都工芸繊維大学美術工芸資料館
著:並木誠士、上田文、青木美保子 著
□ 判型:A5
□ 総頁:168頁
□ 製本:並製
□ 定価:2,500円+税
 
 

流行というのは多くの人に知ってもらえる機会であると同時に、広く浅く、そして時には間違った情報が伝わってしまうという状況を作り出してしまいます。

ここ最近イベントなどで接客をしていて思うのは、アフリカンプリントやカンガに対する間違った認識です。それが布だけのことで済めばよいのですが、アフリカの国々に対する間違った認識も生み出しているように思われるのです。特にアフリカンプリントが社会貢献と結びつき、流行(ファッション)になってしまているなと強く感じたエピソードを一つご紹介します。

 

【 アフリカンプリント・社会貢献ビジネス 】

ある高校生がカンガを使って服を作りたいということで、親御さんと一緒にイベントへ足を運んでくれました。その後メールでのやり取りがあり、彼女の目的が見えてきました。彼女がカンガを購入した目的は「アフリカの布を使って服を製作する、それをビジネスにしてアフリカの貧困問題を解決する」というものです。

アフリカに一度も行ったことのない高校生がそう言っているのです。
実際にどの国で誰が困っているのか?どんな人たちを助けるのか?そいうったことを聞くと、そこに明確な回答はありませんでした。

高校生はTVや何かで、そのような活動をしている素晴らしい人々を見たのでしょう。そして、彼女はそのビジネスを素晴らしいと思ううちに、そのアイデアが自分のアイデアだと思うようになってしまったのではないでしょうか?

メディアが作り出すイメージは、まるでアフリカ全体がそうであるかのようなイメージを作り出してしまいます。彼女の中で、アフリカに暮らす人々は助けるべき存在であり、アフリカという大陸は自分が社会貢献を行うためのフィールドだと思えたのでしょう、、、。

 
 

話は本の紹介から離れてしまったのですが、この本はアフリカンプリントについて知ろうとした時に、表層的な流行ではなくシッカリとした知識を与えてくれるはずです。

アフリカンプリントそしてカンガに興味を持っていただけたら、布を見て楽しむだけでなく、このような歴史的な背景も知っていただけたらなと思います。そうすることでカンガの見え方、魅力はまた少し変わるのではないでしょうか。

歴史を知ることで、自分たちの生活の中にアフリカとの繋がりを発見することができるでしょう。今まで遠いと思っていたアフリカを少し身近に感じることができるかも知れません。そういった積み重ねによって、あなたに見える世界はメディアが伝える簡略化されたイメージとは、少し異なったものになるのではないでしょうか。