今回は日本でもよく知られているマサイ族の話。
私はマサイ族をテレビなどで見かけると、ある貴重な体験を思い出します。
それは、こんなお話、、、
ケニアを訪れる旅行者が 「 マサイ族と出会う 」、
そんな機会があるとすれば、それはきっとマサイ村の見学ツアーです。
私もそんな見学ツアーに参加したことがあります。
その時は、私が想像した野生の生活のイメージではなく、
観光客を相手に慣れた感じで異文化を演じるマサイ族の姿に、
その姿にシャッターを切り、ビデオを回し続ける観光客の姿に、
厳しい自然に囲まれたサバンナの中でさえ
世の生業を強く見せられた感じがしました。
< マサイツアーにて >
しかし、予期せぬマサイ族との2度目の出会いは一生忘れられない、本物の異文化体験となりました。
それは、友人たちとキャンプに行ったときの話です。
「 ケニア南西部、マガディ湖と呼ばれる塩湖の近くには天然温泉が湧いているところがある! 」
そんな話を聞いた私たちは、ガイドを雇い、車をチャーターしてキャンプツアーを企画しました。
首都ナイロビからデコボコの道を 120km 走ってたどり着いたキャンプ地は、何にもない湖のほとり。
人工物は乗ってきた車だけ、あとは少し遠くでペリカンやフラミンゴたちが静かに湖畔を歩いている、そんな場所でした。
こんなところで本当に一泊できるのか?
数分前に遠くを走って行ったハイエナの姿に恐怖しながらテントを組み立てていると、
はるか遠くに人影が、、、( どんどん近付いてくる )。
やけに細長いその人影は、
ガイドのケニア人が警備とコックとして雇った、この地域に住むマサイ族だったのです。
明らかに外国人慣れしていないマサイの人々。
しかし、私たちがスワヒリ語を話すとわかると徐々に打ち解けてくれました。
その後はもう、言葉通りのキャンプを体験。
雨が降り、雷は鳴り、テントは風に飛ばされてしまったり、
ヤギを絞めて丸焼きにした食事だったり、
彼らとジャンプを競ったり、相撲を取ったり、たき火を囲んで奇声を発して踊ったり。
夜は車のライトで温泉を満喫。
まっ平らな台地に寝転んで、プラネタリウムみたいな夜空を眺めました。
キャンプというよりも、マサイに学び自然を満喫したこのツアー。
最後に思ったのは、赤いマントを羽織って台地に佇む彼ら
「 マサイの姿は本当に美しい 」 ということ!
その美しさは、都会にある美しさとはまったく異なる美しさ。
無理や無駄の無さ、自然によってそぎ落とされた洗練さがあるのだと感じました。
そう、本物のマサイはとても美しい!
帰国後もときどき、テレビなどでマサイ族の姿を見かけると、
無数の星が輝く夜空と美味しかったヤギの味
そして、マサイ族は本当に美しかったことを
私は思い出すのです。